数はたくさん数えられるから神

どういうこと?

地球のみなさんこんばんは.さいきん「数ってマジですごいな」と思うことが多いのでその話をしようかと思います.みなさん知ってますか,「数」.数は便利ですよ.なんたってたくさん数えられますからね数は.こんなに便利なものはそうそうないですよ.院長先生俺あ正気だァ監房から出してくれェ〜〜ッ
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本題

おことわり

「そもそも数って何?」という質問に答えるのはたいへん難しいのでここでは説明を控える.「こいつは我々が日々つかっているあの『数』について話しているんだな」という目線で読んでもらえるとありがたい.数とは何か知りたい方は

  1. 足立恒雄「数とは何か そしてまた何であったか」

数とは何か そしてまた何であったか

数とは何か そしてまた何であったか

など読まれるとよいと思います.

数のいいところ

村上春樹のエッセイか何かで読んだ話にこういうものがあった.一昔前のことだが,MacだとWindowsのPCから送られてくる




という機種依存文字を使った箇条書きが文字化けしてこまるので,

(あなご
(いるか
(うに

みたいな感じでやってくれると見れるし楽しいのでサイコー!
……という話だったと記憶している.これが全部ぼくの妄想で村上春樹はこんなこと書いてなかったとしたらごめんなさい.出典が思い出せないんですよ.

さて,村上春樹方式の欠点は何か.それはふたつある.

  1. 海洋生物*1の名前を考えるのがめんどくさいし,一意に決まらない.
  2. 海洋生物の種類には限りがある

「(いるか じゃなくて(いか だろ!」とか不毛な争いが生まれるかもしれないし,海洋生物の種はそんなに多くないだろう.よく知らないが2兆種類いたりはしないと思う.

また,村上春樹方式を海洋生物のことを一旦わすれて単純にすると

(あ
(い
(う

なので,

  • ひらがなが46個しかない

ことが問題の本質的な部分であるともいえる.以下で「数」がこれらの問題をどう解決しているのかについて見ていこう.

数には名前を考えなくていいし覚えなくていい

そもそも数が先程述べたように
1 → あなご
2 → いるか
3 → うに
︙ ︙
みたいになっていた場合,これを覚えるのは難しい.たとえば仕事を指示するときも
倉庫から例のダンボール箱をあなご箱持ってきて,中身をうに個ごとに束にして分けといて
のような感じになってくる.難儀である.百万とか千万のあたりになってくると日頃つかわないので思い出せなかったりするだろう.

それに比べて数は扱いやすい.適当な記数法があれば「次の数」というのはすぐにわかるからだ.あなたが地球人なら,10進法さえ覚えてしまえば 「1, 2, 3, ..., 10, 11, …」と数を数えていくことができる.これは忘れたりどちらが先なのか混乱したりする心配がない.

また,そもそもの問題として「1, 2, 3, …」の「…」はいいとして「あなご,いるか,うに,...」「... 」の意味がわからないということがある.数には「...」という略記法が使えるが単語の列には「…」が使えない.当たり前か?

数は無限にたくさんある

海洋生物のことはわすれて,次にひらがなで表す方法(後者の方法)について考えよう.
ひらがなは46字しかない*2が数はたくさんある.1でも2でも3でも42でも100万でも49穣2垓5000兆でも書き表すことができる.宇宙のすべての物質をインクに変えても書ききれないほど桁数の多い数を考えることもできる.数はめちゃくちゃ便利だ.「1, 2, 3, ...」と*3どこまでも数をかぞえられる.

だがひらがな厨にもそれなりの反論がある.
ぜんぶ使い切ったらもう一回最初にもどったらいいんじゃない?
なるほど.ものの数を数えたかったら
「あ,い,......」
と数えていって,「ん」まで使い切ったら 
「ああ,あい,あう,......」
とすればよいのだ.*4

この反論は正当だろうか.ぼくは必ずしもそうではないと思う.なぜかというと,これは後出しじゃんけんみたいな方法であって「数」の知識を暗黙のうちに使ってしまっているに違いないからだ.ひらがなを単なる46個のシンボルだとみなしてそれを数とうまく対応づけるにはどうするのか,という意識からこのやり方がでてくる.偽装した数だと言ってもいい.

数のことをわすれた上でひらがな列を並べるときは辞書のように



あいあい
あいあん



いあいぎり

いんこ

と並べるのが自然だと思われるが,これは間に「…」が何個も挟まってしまってよくわからないので数をかぞえるには向いていない.

おしまい

数,すごいですね.便利ですね.「数」って概念だと思ってたけど実在する気がしてきました*5
数,サイコ〜〜!!(カメラに向かって手を振る)

*1:もちろん海洋生物じゃなくてもよくて,アナコンダ,イエローラットスネーク,......でもよい.なんでもよい

*2:ものごとをあまり深く考えないので50音順というからには50個あると思っていた.アホである.なお,ゐとゑをいれると48個ある.これがいろは48文字か.

*3:可算の範囲なら

*4:47進法みたいなもの.これは「あ」を「1」に対応させるような書き方になっていて「0」に対応するものがないので気持ち悪いが,それに気づいてしまうあなたはこんな記事を読むべきではない.

*5:ここプラトニズムって書きたかったけど本物の数学的プラトニストがどういう論拠でやっているのかに詳しくないのでやめた