Wishbass(ウィッシュベース)がやってきた

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◆買った◆

いやあ、買っちゃいましたWishbass。
Wishbassとはアメリカはケンタッキー州のジジイ、Steve Wishnevskyがつくるベースである。特徴的かつな作り、木材感、お手頃価格などが魅力的。まあたしかに雑なところは多いが、公式サイトなどをみるにめちゃめちゃミュージシャンへの愛にあふれたジジイである。細工の粗さもまた味か。
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公式サイトから拝借してきたWish爺さんの画像。

◆購入の流れ◆

注文

サイトからオーダーもできるがwishbass on eBayに公式の新品がちょこちょこ出品されていて、僕はこれを買った。みんなも毎日eBayで「Wishbass」を検索していいかたちのやつが出てないか眺めよう。最近はこんなハチャメチャなかたちのエレクトリックアップライトが出品されていた。ベース界のバーリ・トゥードか。
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eBayというとヤフオクなどにくらべて馴染みがないが、クレジットカードさえ持っていれば(PayPalを介して)特に問題なく支払いができるし商品も届く。僕はこのWishbass以外にはディジュリドゥウクレレを買ったことがある。*1
さて、12/17にいよいよ冒頭のベースを注文した。お値段は$300.00で送料が$100程度。この送料は高いんだろうか安いんだろうか。
すぐにStephen Wishnevskyからメールが届いて、「月曜に発送するぜ」とのこと。StephenはSteveの息子かな?
追記:本名がStephenで通称がSteveということらしい。綴りがpだからステファンとでも読むのかと思ったらこれでスティーヴンと読むんですね……納得。爺さん本人からのメールでした

待つ

Trackingがしっかりしているので、それを眺めながら待つ。
ケンタッキー州アーランガー→テネシー州メンフィス→アラスカ州アンカレッジ*2
→大阪州泉南→我が家
の順で届いた。到着日は12/25。意外とはやい。
ダンボール箱に緩衝材として発泡スチロールとビニール袋を詰めた状態でやってきたが、発泡スチロールの質が低く、開封作業中に2mmぐらいのスチロール球がポロポロこぼれ落ちるのでそれを掃除するのが大変だった。アメリカのご家庭は気にしないんだろうかこういうの。気にしないんだろうな。
僕は除去しきれてなかったのでお母ちゃんに死ぬほど怒られました。日本の主婦は厳しい。
この開封作業を経て降臨したのが冒頭のベースである。

◆スペックとレビュー◆

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基本性能

4弦、ハムバッカー、コントロールはボリュームのみという漢らしい設計である。
ボディは主にウォルナットで、Purpleheartのラインが入っている。ネックはウォルナットとメイプルで、指板はPurpleheartが貼ってあって綺麗な赤色だ。細工は雑だが木材そのものがめちゃくちゃいいので遠目に見れば数十万のハイエンドベースに見える。めちゃくちゃ遠目の薄目でみれば。
くさいというほどではないが独特の臭いがする。小学校の図工室みたいなノスタルジアを感じる香り。僕がいちばんピンとくるのは室内も土足であがるタイプの学校の木張りの廊下の臭い。
どの部分も厚め?*3のオイルフィニッシュ。ナットとブリッジにはがつかわれている。上の画像の白い三角形みたいなやつが石。石といっても人工大理石(Corian)のようだが。石ってベース作るときにつかっていい素材なの??

重さ

軽い。
今のメイン機・Warwick Streamer LXの重さを体重計で雑にはかったところ、4.4kg。このベースは3.6kg。数字にすると大したインパクトがないが、持ち上げたときの体感は相当ちがう。Warwickは持っただけでボディ部の木がミチミチに詰まっているのがよく伝わってくる。見た目から想像するより重いんである。いま気づいたがWishbassが軽いんじゃなくてこいつが重たいのか?
弾いたときの感じも、Warwickはボディがびくともせず弦がよく鳴っているのに対して、Wishbassは楽器全体が弦といっしょに震えている。正直この点に関してはWarwickのほうがいいと思う。値段がぜんぜん違うのでこのふたつを比べること自体おかしいのかもしれないけど……それにWarwickは僕の肩こりの原因の83%を占めているので軽い楽器はありがたい。

かたち

シングルカッタウェイ・左右非対称なボディは最高。4弦側は9フレットぐらいまで伸びていて、1弦側は24フレット付近まで削り込まれている。右ツノのかたちもかわいい。
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ボディ裏にはWishbassステッカーが貼ってあり、その隣にはシリアルナンバーのようなものが刻まれている。ちなみに弦は裏通し。穴のテキトーな掘り方がたまらない。
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ネックとヘッド

ネックはかなり太い方だと思う。それに木の曲がりを放置してる活かしている部分があるのでわずかに凸凹している。
トラスロッドはない。英語版WikipediaによるとそもそもWish爺さんは自分のベースに金属を使いたくないらしい。だからナットとブリッジが石なのか……トラスロッドがなくてネックが太いので発想としてはアップライトベースに近い。
有名な話だがWishbassのポジションマークはで打ってある。あと目印の鉛筆線がそのままにしてある。こんなに釘打って木材に悪影響はないんだろうか??
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ヘッドは、木材をくり抜いて内側に弦を入れるかなり特殊なつくりである。クラシックギターとすこし似ている。
ふつうのベースのヘッドは高々1cm程度の厚みしかないのにこいつはすごい。今まで使っていたギグバッグに入るか不安だった。いちおう入った。
この機構によって、特に1弦と4弦なんかはかなりテンションが稼げている。
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電装系

シンプルすぎて笑ってしまった。ふつうのジャズベースでも、2ボリューム・1トーンでポットが3つあるので1ボリュームのこれよりはだいぶ複雑になる。
壊れても間違いなく自分で修理できそうで安心だ。DIY精神の高揚を感じる。
左上のネジ穴切りに迷いがみえるのがちょっとおもしろい。どうせ上から板で塞ぐからいいやと思っているのか。
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◆演奏性◆

ボディのカーブはかなり丁寧につくられているのでストラップをつけて持ったときのフィット感はなかなか。
1弦の弦高が低すぎてすこしビビる箇所があるのが気になるけど、トラスロッドが入ってないのでどうせ順反りするからそのうち気にならなくなるはず。
音については、意外と爆音。音ヌケもなかなかいいが、これは周波数がいい感じになっているからヌケるのではなく、節操なくあらゆる帯域が出ているからヌケるだけなんだと思う。人に迷惑をかけるタイプの音である。
まあ太い音がするのは間違いないのでここらへんを意識してバンドに溶け込めるようにつかえばなかなかいいベースなんじゃないかと思う。

まとめ

みんなWishbassを買おう!

*1:ちなみにウクレレは衛生検査(?)をパスできずアメリカを出国できなかった。もちろん返金されたけど

*2:なんでアラスカ通るの!?と思ったが、ヨーロッパ旅行の乗り継ぎにつかわれることがなくなった今でも貨物の取扱量はけっこう多いらしい

*3:ざらついた手触りからそう判断したが、オイルは薄めで木がガサガサなのかもしれない