バイオレンス:TRPG

1.VioLence™にようこそ、このクソ野郎。

VIOLENCE - The Roleplaying Game of Egregious and Repulsive Bloodshed

VIOLENCE - The Roleplaying Game of Egregious and Repulsive Bloodshed

 

 

2019/1/7 追記: 新ブログでバイオレンスの記事を書きました!

cosmicwhale.xyz

バイオレンスとは世界最高のTRPGたるパラノイアのデザイナー、グレッグ・コスティキャンが開発したTRPGだ。そのルールブックの中身はクソ出版社の印税に対する恨み事、プレイヤーに対する罵倒、その他無作法なことなんでもといった感じで、まともなTRPGプレイヤーならまず手を出さないだろう。だがパラノイアが好きな人、ソード◯ールドやアリアンロッ◯・サガなんてプレイする気もないという捻くれた人はぜひプレイしよう。

しかしこのゲームはインターネットにほとんど情報がなく、ルールブックもなかなか入手が難しいので、少しでも興味を持ってもらえるようにデザイナーに怒られない範囲でシステムを説明してみたいと思う。

2.VioLence™とは?

以下引用。

VioLence™は、他社から出ているダンジョンズ&ドラゴンズ®によく似ている。お前とお前のダチは、想像上の世界に存在する人物を演じることになる。迷路をさまよい、ドアを蹴り破り、その先にいる者を全てぶち殺し、有り金全部はぎ取るのだ。D&D®との主な違いは、エルフやドワーフ、魔法の呪文などといった戯言が飛び交う、どこかの三流ファンタジー作家が書いたような世界ではなく、現代社会が舞台だということだ。お前が蹴り破る扉は、地下迷路の扉ではない――地下鉄にいるのでなければな――上品で、誠実で、ただ真面目に働き生活する人々のものだ。殺す相手はボール紙の「モンスター」ではない。このゲームで敵として定義され、殺しても良いとされているもの――すなわち人間である。(後略)

この解説でほぼ内容は尽くされているだろう。要はプレイヤーが人間のクズに扮して無辜の市民を虐殺する最低のゲームである。プレイヤーはダンジョンの代わりに年金生活の老人の家に押し入り、宝箱ではなくタンスの中身を漁るのだ。金、暴力、殺人、麻薬、ドラッグ!

 

3.特徴的なゲームシステム

まずプレイに必要なものだが、

  1. ルールブック
  2. 現在発売されている、また今後発売されるVioLence™グッズ全て。これらには必ずVioLence™ロゴが入っている。VioLence™Tシャツ、VioLence™偽ゲロと血糊、…
  3. VioLence™ロゴ入りサイコロをいくつか。普通のサイコロと違うのはVioLence™のロゴが入っていることと、値段が少し高いことだ。…

 とまあこんな調子である。念のために言っておくがこのようなグッズは存在しない。

このゲームのキャラクターシートには単なる白紙を使う。能力値には筋力、耐痛力、耐久力、迫力、その他の五種類があり、先の四種類の技能に当てはまらない判定(一桁の足し算をするとか、子供を寝かしつけるとか、何でも)は全てその他で判定する。なんという素晴らしいシステムだろうか。能力値を設定するにはダイスを用いるが、

今度は自分たちの能力を決定する必要がある。3D6を振れ。立方体のそれぞれの面に小さい点がいくつか入ったやつだ。わかるか?これらはサイコロと呼ばれるものだ。

とまあこんな調子である。

また、キャラクターは一般的なHPの他にPP(ペインポイント)を持っており、HPがゼロになるとキャラクターは単に死ぬが、PPがゼロになるとわめき、泣いて許しを乞い、周りの人間の言うがままになる(”ブッ壊れる”)。

それぞれの武器はダメージとペインという二種類の攻撃力を持っており、ダメージが少なくてペインが多い(相手を殺すのではなくペインポイントをゼロにすることができる)武器を選ぶのがこのゲームの戦闘を楽しくするコツである。例えば釘打ち銃とか、アルカリ性溶剤とか、台所用ガスバーナーとか、瓶の部分が壊れた台所用ミキサーとか、むき出しになった電線とか。

武器や服には隠蔽値が設定されており、隠蔽地が+になっていると警察に見つかりやすい。例えばナイフの隠蔽値は+1でトレンチコートの隠蔽値は-3とかそういった感じだ。

スキルについては徒手格闘、ハンドガン、ナイフ投げ、文字を読む文字を書く、落書き、拷問など色々あるがここでは略す。ドラッグやファックに関する説明もルールブックに書いてあるが、細かいルールはなく、GMの裁量による部分が大きいようだ。

 また、ルールブックには通常の(ファンタジー的な)TRPGのモンスターに当たる形で田舎娘、不法入国者、ばあちゃん、はたまたビンラディン一味、ちっこいガキンチョとママ、尻の穴でハアハア言ってる奴、などの無辜の一般市民のステータスが記載されている。また、「豚ども」の欄では上記よりは強い敵、つまり警官のステータスが記載されている。

また、ワンダリング被害者表ランダム建物表が載っているため、GMはそこらへんを歩いている哀れな犠牲者や、プレイヤーが押し入ろうとしている建物の間取りを瞬時に決定することができる。

 

まあ、こんな感じだ。シナリオは麻薬を密売して南米に高飛びするとか銀行強盗とか強姦殺人とか似たり寄ったりなのであまり気にしなくていい。

 

4.おわりに

以上短い解説だったがバイオレンスの雰囲気を感じていただけただろうか。

 それでだ。ロールプレイング・ゲームで最も迷惑な面の1つが、何人もの野郎どもが1つのルールで数十年も遊びまくり、その間びた一文払わないことだ。つまり、1つのルールブックで何年も娯楽を提供できるってことだ。その間俺の得られる物といったら1800円の5%、90円がいいところだ。…

というデザイナーの悪態も入っているこのルールブック、興味のある人もない人も買ってあげてくださいね!