祖母、振り込め詐欺に引っかかる(三年ぶり二回目)

父方の祖母が振り込め詐欺で150万盗られたのでその様子を書いていって注意喚起みたいなものをしたいと思う。

生活の様子を少し述べておくと、父方の祖父は早いうちに亡くなっていて祖母と父の妹で二人暮らしをしている。父の妹は働いているので昼は祖母だけが家に一人、ということになるわけだ。

 

まず第一の詐欺から。2011年秋の話になる。

本物の父はその日の午前まで祖母の家に泊まっていて、詐欺犯から電話がかかってきたのはその日の午後だ。

「オレだけど、携帯の番号変わったからメモして」

祖母は紙で連絡先を管理していたので、前の番号を消しゴムで消して新しい番号を書いてしまった(=前の番号に電話をかけて確認できなくなった)。

声が違うね、と言ったら「喉の調子が……」と言われ、なんで午前に言わなかったんだと訊いたら「忘れちゃって……」などと言われたらしい。

午前中に会っているにも関わらず犯人からの電話を信じてしまったのも驚きという感があるが、その時には金の要求はなく、話は進む。

 

二回目の電話は翌日にかかってきた。

「オレだけど、女性関係で問題を起こして……」

350万を要求された。

ある意味巧妙な手口だと言えるのかもしれない。女性関係ということがあって知り合いはおろか嫁(僕の母)にも相談することができなかった。

祖母は完全に騙されてしまい、郵便局に向かう。しかし金を下ろそうとした時、郵便局員が異変に気づいてくれた。

局員が提示した「振り込め詐欺チェックシート(参考:http://www.bk.mufg.jp/info/security/higai/check_sheet.html)」を祖母がやってみた結果、5項目中3項目にチェックがついた。5つのうち1つでも当てはまれば振り込め詐欺の疑いがあるので3つも当てはまれば超高純度の振り込め詐欺である。

ここで警察官が登場して祖母を説得してくれたので事なきを得た。

母の友人が述べた感想を引用すれば「おばあちゃんは自分の息子の女性問題が信用出来ないのかねえ」ということで、まあここまでは今となっては笑い話だ。

 

いよいよ第二の詐欺になる。2014年夏、この記事を書いた日付からすると一昨日の話だ。

「オレだけど、携帯が壊れたからとりあえずこの番号で」

一回目の電話はこのようにかかってきた。ここで手口の類似性に気づいても良いのでは、と思えるが祖母はひとまず信用してしまった。一回目は金銭の要求がないことも前回と同じだ。

 

そして第二の電話。

「オレだけど、会社で不祥事を起こしたから誠意を見せるために小切手がいる」

今どき誠意ってどこぞの組のフロント企業にでも勤めてるのか!と言いたくなるが、しかし祖母は信用してしまった。犯人はここで金を要求してくる。

「いくらぐらい出せる?」

ここは第一の詐欺と違う点で、敵もさるものという感がある。犯人の方から金額を言わないことによって祖母自身も納得して金を出したという気になるし、祖母の持っている資金も推し量れるだろう。

祖母は最初100万と言ったが「それでは足りない」と言われ、最終的に150万出すことになった。

ここからの流れも第一の詐欺と異なっている。電話がかかってきたのは午後三時以降で、窓口を使うことは出来なかった。

祖母は3箇所のATMから50万ずつ引き出した。今回は止めてくれる郵便局員も警察もいない。

金は父の部下であるUさんが受け取りにいくということだった。後から父に聞いたところによると、部下の名前は合っていた。

祖母は多少の不安もあり待ち合わせ場所を警察署の前にしようとしたが、「不祥事が表沙汰になってもいいのか」などと脅されると変更してしまった。

部下Uが待ち合わせ場所にやってきた時に祖母もおかしいなとは思ったらしい。父は一部上場企業に勤めているのだが、その部下とは到底思えないような雰囲気だったからだ。

しかし祖母はその男に150万を渡してしまった。家に帰ってから何も連絡がないので騙されたことを確信し、我が家に連絡が入った。未だに同居している父の妹にもこのことを明かせていないらしい。

 

ちなみに父は不祥事を起こしたという日、休暇をとってニューヨークにいた。

 

一応述べておくと、祖母は別にボケているわけではない。だからこそ、「うちの祖父母はまだ元気だから」と思っていてもいつかこうなってしまうかもしれない、という事実だけでも理解しておいて欲しい。